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CHa-Ki 的思考回路
2022年8月22日:チコちゃんに叱られる!の間違いを訂正します
結構良く見る番組に「チコちゃんに叱られる!」というのがあります。
ほ〜〜、なるほど、へ〜〜と知るは楽しいことです。

NHKのサイトを見ると2020年12月に放送されたようですが「おじぎの謎」「お経とは?」「タイヤが止まる?」という3つの謎を解く回です。 私が見たのは今年なので再放送だと思います。
そのうちの3つ目の謎「回転中のタイヤが止まって見えることありませんか?そこには人体のメカニズムが。」というヤツについてです。

NHKともあろうものがこんな初歩的な間違いを…

私はアマチュア向けのビデオ制作セミナーもやってます。
初心者向けのレジュメの中に必ず入るのがこの話です。
詳細は本サイトのアマチュア向け豆知識「電子シャッター」をご覧ください。
20年以上前の記載ですが現代でも原理も意味あいも全く同じです。

電子シャッターの設定はアマチュア向けビデオカメラやスマホ(以下民生機)ではできないことも多いのですが、放送用カメラなら設定できます。
だからといってむやみやたらに使うことは無く、主に次の3つのシーンで使います。
1.ハイスピード(スローモーション)撮影(スローの倍率に合わせて)
2.CADのCRTフリッカー除去(バリアブルシャッター。もうCRTは無いか…)
3.東日本の蛍光灯下での撮影(1/100。これもLEDの時代か…)
です。本来、原則として上記以外では電子シャッターを使いません。 理由は簡単です。まさにタイヤが止まったり逆回転するからです。 タイヤならまだしも飛んでるヘリコプターのローターが止まって見えるなんてシャレになりません。

詳細は割愛しますが、民生機では自動的に制御されてる電子シャッターがあるので、チコ番組スタッフが勘違いしてしまった問題が起きます。
それをどこやらの先生が医学的に…と、もっともらしく説明して…
さらにそれを信じてしまってる番組スタッフがいて…

軽く書きますが、小型化された民生機ではレンズの絞りをコントロールすることが難しく明暗に対応できません。
機械的に絞りばねをコントロールするより電子シャッターで光量をコントロールするほうがはるかに簡単で安くできます。
しかし、電子シャッターを使うとチコ番組で間違ったようなタイヤが止まるまたは逆回転する現象が起きてしまうのです。

いちおう書いておきますが、写真機のシャッター速度とは異なる考え方をしますのでそこにも注意が必要です。
テレビの電波に乗せるという命題があり、写真や映画とは異なるのです。

タイヤやヘリのローターが止まって見えるのはカメラの設定間違いのせいで、決して目や脳の情報処理などの医学的理由ではないわけです。

今回、これを載せるか長い間悩みました。
チコ番組スタッフの責任問題や誹謗中傷扱いになるのでは?という危惧があります。
ただ、人は誰でも間違いがあります。
「間違いました、ごめんなさい、以後気を付けます」
と言って終わらせれば良いのかなと思い書きました。
願わくはNHK信奉者が「森田が間違いを教えた」と勘違いしないようにしてほしい。
NHKなら100%正しいという誤解は捨てて欲しいと願っています。

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