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CHa-Ki 的思考回路
20021015:電車の連結器には「アソビ」がある
毎日通勤、お疲れ様です。というところで、連結器の話。最新型ではアソビの無い連結器もあるようですが、昔は、機関車が動き出すと連結器のアソビによって、前の方から動き出すようになっていました。この連結器の「アソビ」が無いと列車は動き出せなかったようです。このルーズさが重要なんですね。
映像の世界でもこの「ルーズ」さは結構大切な部分です。連結器は映像ではトランジションと呼ばれます。最近のノンリニア編集では、ページめくりや3D特殊効果を使うトランジション効果を多用する傾向があるので、言葉はご存知の方も多いと思います。映像を組み立てる場合、このトランジションは電車の連結器と同様、さりげないのですが、とても重要な役割をします。その言葉通り、つながり、即ちシーンとシーンを連結する重要な役目です。15輌編成の電車なら、シーンが15に分かれているってこと。その1号車(シーン1)の中も実は、座席で区切られていて、1号車の1番前の席がシーン1−1になるわけです。そこが4席なら座っている4人が「カット」ということになります。
トランジションの代表格がワイプです。前のシーンは終わりました、次のシーンへ移りますよ。という合図です。ですから、頻繁にトランジションが入ると電車で言えば、連結器ばっかしの車両になり、15輌編成の電車に15人しか乗れなくなります。確かに重要なトランジションですが、連結器ばっかしの電車では乗車率は大幅に減り、本来の目的をそれたものとなります。
さて、トランジションショットという言葉があります。これは、小さなシーンとシーンをつなぐためのブリッジ的な映像です。あらゆるものが考えられますが、「空に浮かぶ雲」「花」「水面」など何でもないものが使われます。この何でもないものがとても重要で、カメラマンの資質を問われるものとなることもあります。上手い下手は別として、撮るべきものはたいてい撮影されていますが、編集を知らないカメラ番(カメラマンではないカメラオペレータ)はこのトランジションショットを撮っていないので、編集マンはものすごく大変な思いをして、トランジションを駆使する羽目になります。トランジションの多い番組は「カメラマンの技量が劣っている」ということです。
カメラマンというのは、ディレクターとしての資質も要求されます。「全知のナレーター」という言い方をする方もいらっしゃいますが、カメラマンは、その番組の全てを知る必要があります。もちろん結末まで。サスペンスでは、犯人を知った上で撮影する必要があるということです。結論(テーマ)に導くための様々な手法を知っていなければなりません。その一つとして、3カット構成でも書いていますが、前後のシーンのエピローグとプロローグを合体させて的確なトランジションを撮ることができるようになると、カメラマン第一歩となります。

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