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CHa-Ki 的思考回路
2011_0606:放射能のこと(計算方法など覚えておきたいこと)
覚えておくと便利な計算方法と人体に与える影響や放射能の簡単な解説を書いて欲しいという要望(が何故私にくるかは、この際こっちに置いておいて・・・)におこたえして、私の知るところを書いておきます。もちろん、私は番組制作が生業で、原子力の専門家でも何でもないので、もしかすると間違いがあるかもしれませんが、6月4日のNHKニュースで「続いて、福島第一原発のニュースです。1号機の建屋内で4000ミリシーベルトの水蒸気が噴出していることがわかりました。次は・・・」ってサクッと言って、何の解説も無く次のニュースに移った問題を今週の一言に書いたことで、読者から放射能の影響表を出して!というご要望がありましたので記載しておきます。
※このページの内容に関しては、新しい情報の入手等により、随時更新いたします。
線量当量
ミリシーベルト
内 容 (法的根拠と障害および死亡率)
普通に生活する人が1年間に受けても良い総放射線量
10 屋内退避の目安
100 体に影響が出る可能性のある放射線量。すなわち、累積100ミリシーベルト未満では健康に被害を及ぼすことはほとんど無いと考えて良い。従って、1年間で1ミリなら100年生きても放射能由来の癌にはならないということ
250 福島第一原発事故の緊急作業従事者に限って適用される被曝線量上限。一度に受けると白血球数の減少が起こる
1000 1シーベルトを一度に受けると、急性障害(吐き気、めまい、脱力感、脱毛など)が生じる
2000 2シーベルトを一度に受けると、5%の人が死亡
3000 3シーベルトを一度に受けると、50%の人が死亡
6000 6シーベルトを一度に受けると、全員死亡
ということです。様々な資料により若干の違いがあります。その中で最も安全圏で線量当量を記載しています。NHKが軽く流した4000ミリシーベルト(=4シーベルト)という数値が何を意味するか?を一人一人が考えなければならないと思います。もちろん、放射線として受けるか、飲食か、呼吸かによって影響はかなり違いますが、概ねという考え方で目安のために上表の数字くらいは覚えておいて損は無いと思います。
たくさんの難しいことを覚える必要はありませんが、国・東電・マスコミのだましのテクニックと暴き方を書いておきます。マスコミは電力会社の広告料が必要なので信用してはいけません。次の4点だけ覚えてください。
1.ベクレルとシーベルト
硬貨を1円玉x4、100円玉x3、500円玉x2個持っているとします。簡単に考えると、硬貨の数の合計が9枚(ベクレル)。金額の合計が1304円(シーベルト)。という考え方です。すなわち、1秒間に何個の原子核が崩壊(原子核が壊れる時に放射線が出ますが、1つ壊れるときに1種類の放射線が1個だけ出るわけではありません)したかがベクレル、その崩壊が人間に与える影響がシーベルト。ベクレルという言葉はあまり意味が無いので無視しましょう。もちろん、ベクレルからシーベルトへの変換係数と数式をご存知の方は是非計算してください。また、ガイガーカウンターのようなもので計測できるのはガンマ線とX線まで。もちろん、あんなにビニールを巻いていたら、アルファ線は通過できないし、土にアルファ線があっても遠すぎて計れません。現在、福島周辺でアルファ線が測定されているかは、はなはだアヤシイ。従って、そもそもテレビなどで発表される線量も、アルファ線、ベータ線や中性子線を含んでいない線量=シーベルトなので、ミニマムという捕らえ方をする必要があります。
2.じゃあ、1円玉と500円玉って何が違うの?
ベータ線やガンマ線、X線は係数が1。アルファ線や中性子は係数が20。係数が高いほど危険度が高いってこと。

@福島3号機は悪魔のプルサーマル計画でできたMOX燃料。これは、通常のウラン燃料の数倍から10倍近いプルトニウムを含んでいます。このプルトニウムが発するアルファ線は呼吸で吸収すると癌を引き起こすことが証明されています。
A右図。空気中1cmも進めない、紙でも止められるけど最も危険なアルファ線です。この線量は一般的なガイガーカウンターでは全く計測されないのが問題。また、ストロンチウムは強いベータ線を出しますが、このベータ線も全く計測されていないのも大問題です。
3.絞りとシャッター速度みたいな関係?
さて、半減期という言葉を何度か聞いたと思います。放射能の量が半分になる時間です。例えば、ヨウ素131は8日、プルトニウム239は24000年。ざっくり半減期を10倍するとほぼ放射能がゼロになります。ヨウ素なら80日ですね。ここでのポイントは2点。まず、同位体がたくさんあること。ヨウ素なら短い半減期は秒単位、長いと1500万年以上と大きく異なることです。次に、元々持っているパワーが100だとすれば、それを80日間で放出するか、1500万年で放出するかです。従って概ね、ちょっとずつ長期間か短時間でハイパワーかという考え方ができます。ただし、プルトニウムは高いエネルギーを持ったとても危険なアルファ線を1mm以下の短い距離で発生させるので、危険度はどれも同じと考えるのが良いと思います。
4.ダマシのテクニック 時間と年
一般的にxxシーベルトと言う場合は1時間あたりの線量です。時間当たりと言わない、ここがダマシの原点です。上の白い表は、一瞬か累積かではなく、人間が受ける線量で表しています。ここで、単位をもう一度おさらいしましょう。1シーベルト=1000ミリシーベルト。1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルトですね。で、1年って8760時間なので、6月4日のNHKニュースは「1ランクアップして10倍して10%マイナス」すれば年間(実際には人体の修復機能があるので同じではない)に匹敵すると考えれば36000シーベルト(概算。正確には、4x8760=35040)。365日建屋で暮らすわけではないので、そんな計算意味無いと言われるかもしれませんが、他の線量も同じ方法でだましています。恐ろしさで計算できないくらいの放射線量をニュースの中ではさらっと流しました、それがNHKです。あとで何か言われたら「流しました」という言い訳ができます。ノー天気な放送局がある一方で、原発の復旧作業をしている多くの方々が大震災の被災者であるとこは忘れてはいけないと思います。法律で許容されている年間1ミリシーベルトは、時間に直すと【0.114マイクロシーベルト】です。例えば飯舘村で3マイクロシーベルトを観測ということは、3ミリx10x0.9=27ミリシーベルト/年で軽く法定量を超えています。浪江町の小学校で30マイクロということは、年間270ミリシーベルトで、原発緊急作業員の上限を上回ります。これが、「直ちに健康に被害は出ない」ということです。「10年後、20年後のことは言ってません」ということです。ヨウ素131は幼児や子供に対して甲状腺ガンの発症がありますので、注意したほうが良いと思います。継続的な線量で考えれば、妊婦、乳幼児は1マイクロシーベルト/時間で退避、小中学生は3マイクロで退避すべきかと思います。私のようにこどもを作ることの無くなった大人はどうでも良いでしょう(笑)。
5.ダマシのテクニック その2 計測している放射線量
上の2.でも書きましたが、テレビを見ていると、盛んに放射線量を計測している様子が映ります。これは、何を計測しているかというと、ガンマ線だけです。体への影響を考えれば本来テレビや新聞などで発表されている数値は何倍かの係数を掛けてあげないといけないということですよね、フツウに考えれば。上図のようにアルミ板はおろか、鉛や鉄板をも通過する中性子線なんぞは全く計っていないわけで、原発や東電、研究施設など以外では誰もその数値を知るすべがない、発表されたにしても、東電や国が正確な数値を発表するかどうかはなはだアヤシイ・・・もう一度書きますが、みんなが計測しているのは係数(危険度)1のガンマ線だけです。放出されまくったプルトニウムやストロンチウムから放出されるアルファ線(係数20)やベータ線、中性子線(係数20)は、全く測定されてないということです。発表されている数値はガンマ線のみです。
先日の今週の一言で書いた埼玉県川口市を例にとります。
ここでは、危険度を緩和しました。本来、危険が迫った場合、危険度を厳しくするくらいじゃないといけないと思いますが・・・
川口市の発表では、次の測定器を使っています。
専門業者による測定の詳細
測定業者:株式会社 日本環境調査研究所
測定器:日立アロカメディカル社製 TCS-171
(エネルギー補償タイプ シンチレーションサーベイメーター)
職員による測定の詳細
測定器:MIRION TECHNOLOGIES社製RDS-30
(エネルギー補償型GM管式 サーベイメーター)
職員の測定器はおろか、専門業者の測定器もガンマ線以外は測れません。これをもって線量とし、さらに年間1ミリシーベルトと決められた法律を1.64ミリシーベルトに緩和し、市民に公表している測定値も
((測定値×8時間[屋外])+(測定値×0.4[屋内換算]x16時間[屋内]))x365日÷1000[単位をミリへ]=年間換算値(mSv/年)
としています。計算しやすいように毎時0.1マイクロシーベルトだとすると、川口市の計算方法では、年間0.525ミリシーベルトで川口市の基準値のほぼ3分の1ですが、まともな計算では限りなく正しい基準値(1mSv)に近い0.876ミリシーベルトです。ガンマ線だけの値ですから、本来ならできれば数倍〜10倍したいところだと思います。川口市は「安全」より市民の「安心」を優先してしまったようです。他の地域で川口市の計算方法をお手本にしないことを祈るばかりです。(8月31日追記)
さて、原発近辺以外では危険を理解して行動することが求められます。一つの目安として、首都圏では「アメリカ大使館」が退避し始めたら注意信号ですが、現時点では原発近辺以外では落ち着いていて大丈夫。野菜や果物も市場に出回っているものは大丈夫なので、よく洗ってどんどん食べましょう。実は、食べ物の放射能はほとんど排泄されます。呼吸で吸い込むよりよほど安全です。このことも良く間違って解釈されているようですが、元来体に無いものを吸収することはほとんど無い(ヨウ素のように体内に似たような物質があると吸収されてしまいます)ようです。口から肛門まではつながっているわけで、体内ではないので吸収さえされなければ通過して排泄されますが、肺に入ると重いため、底に沈んでしまうので、排出されにくくなります(動力炉・核燃料開発事業団が作ったアニメ「プルトニウムは飲んでも大丈夫」というのはまるっきりマチガイですが・・・)。ストロンチウムは骨に蓄積されることが知られていますが、ほとんど測定さえされていないので、その量は全く不明です。そもそも測定さえもされていない!ということは常に頭の片隅に置いておく必要があると思います。私は50歳を越えてますので、晩発性障害も考慮する必要もなく、3.11以前と全く変わらない生活をしています。
addendum:喫煙と放射能
出所は、スタンフォード大学大学院の科学史専攻の学生Brianna Regoによる2009年のタバコ産業のポロニウム関連研究に関する彼女の論文です。放射性同位体ポロニウム210がアルファ線を出して肺に蓄積され、ガンを引き起こすというものです。この論文によって、2009年6月,オバマ大統領は「家族の喫煙予防とタバコ規制法」に署名しました。尚、ウィキペディアによれば、
1日1.5箱のタバコを吸う喫煙者の年間の線量・・・13〜60マイクロシーベルト
1日1.5箱のタバコを吸う喫煙者と同居する人が、副流煙から受ける年間の線量・・・1.2マイクロシーベルト
30年間毎日1箱吸ってたら、通算1200マイクロシーベルト、約1シーベルトなので、肺ガンになったら、タバコが原因と思っても良いのかもしれません。
amdm't 8月31日(川口市の例を追加)、9月6日(放射線の透過図を変更)
以下 2011年9月11日追記
上記、9月6日までにに書いたことを否定するような内容ですが、私は上記の考え方が正しいと思っています。
あるサイトで放射能の正しい計り方というのがあり、ガイガーカウンターメーカ他、多くのサイトから情報を探ってみました。ざっくり書くと、
1.ガイガーカウンターではアルファ線、ベータ線を計ってはいけない。
2.地面に近づいて計るとベータ線が計測されて線量が大幅に増加する可能性があるので正しい計測値にならない。
3.報じられている「シーベルト」はガンマ線のみから計算されている線量でアルファ線・ベータ線は線量に含めてはいけない。
この根拠はICRP(国際放射線防護委員会International Commission on Radiological Protection)の勧告を受けた、下記、平成17年の文科省の告示
放射線を放出する同位元素の数量等を定める件
(平成17年6月1日 文部科学省告示第74号)・・・このリンクは削除されました。下記pdfをダウンロードしてください。

第20条(実効線量及び等価線量の算定)
 規則第20条第4項第5号に規定する実効線量は、次に規定する外部放射線に被ばくすること(以下「外部被ばく」という。)による実効線量と内部被ばくによる実効線量との和とする。
  (1) 外部被ばくによる実効線量は、1センチメートル線量当量とすること。ただし、規則第20条第2項第1号ロにより測定を行つた場合には、適切な方法により算出したものを外部被ばくによる実効線量とする。
  (2) 内部被ばくによる実効線量は、前条第2項の規定により算出したものとすること。
2 規則第20条第4項第5号に規定する等価線量は、次のとおりとする。
  (1) 皮膚の等価線量は、70マイクロメートル線量当量とすること。
  (2) 眼の水晶体の等価線量は、1センチメートル線量当量又は70マイクロメートル線量当量のうち、適切な方とすること。
  (3) 第6条第3号に規定する妊娠中である女子の腹部表面の等価線量は、1センチメートル線量当量とすること。
3 規則第20条第4項第5号の2に規定する期間は、平成13年4月1日以後5年ごとに区分した各期間とする。
万が一、文科省が上のリンク先のpdfを削除した場合はこちらからダウンロードしてください。
簡単に要約すると、そもそも、内部被爆は計れないから原則外部被爆だけ考える。この際、アルファ線・ベータ線は皮膚・肉に遮断され、皮膚内1cm以上に到達しないので「考える必要が無いし、計測してはいけない」ということです。しかし、文面からだけ解釈すれば、第2項があるので、少なくともベータ線は70マイクロメートルに十分に達するので計らなきゃダメじゃん!と思うけど、文科省は「平成11年4月放射線審議会基本部会の外部被ばく及び内部被ばくの評価法に係る技術的指針」で1センチメートル線量の10倍を越える疑いのある場合のみ計測するので、疑いが無ければ第1項だけ、すなわち、ガンマ線の計測だけでOK!としています。
この文科省の告示・指針によれば、このサイトの上のほうの青地部分に書いているほとんどがマチガイってことになります。極論すれば、ストロンチウムやプルトニウムは計ってもいけない?。現にガイガーカウンターメーカでは地上から1m程度でビニール袋に入れて計ってください。と言っています。文科省は『アルファ線、ベータ線は危険なレベルに達してる疑いは無い』と言っているわけです。
さて、何度も書きますが、空気中でアルファ線は1cm未満、ベータ線も数十センチです。プールで泳ぐ子供、公園の砂場や芝生で転がって遊ぶ子供のことを全く念頭に入れていないことになります。放射能の感受性が大きい、一番気をつけなければならない子供を無視した告示・指針といわざるを得ないところです。内部被爆は「直ちに健康に被害が及ばない」から無視しちゃおう!っていうことです。
ところで、30km警戒区域に入るとき、防護服を着る意味があるのかと思ってしまいます。防護ではなく、単に汚染されているかもしれない埃などから守るだけで、考える必要の無いアルファ線・ベータ線は無視、ガンマ線はあんな防護服では何の役にも立たない。もちろん、鉛入りの防護服もありますが、一時帰宅の人たちには単なる暑苦しいつなぎでしかないでしょう。
単なるパフォーマンス?
くれぐれもマスクだけは頑丈なヤツにしてください、薬屋で買えるようなんじゃなく、区分3の防じんマスクにしてください。最も危険な内部被爆は防がなければなりません。文科省が何と言おうと。
最終的に何故モニタリングポストが高いところにあるかやっとわかりました。アルファ線・ベータ線の届かないところでガンマ線だけを計るということなのですね。原子力発電の安全管理の基本として、『全電源喪失は有り得ないので考えなくて良い』という馬鹿げた理論で福島が犠牲になりました。アルファ線を放出するプルトニウムやベータ線を放出するストロンチウムは『ちゃんと計れないので考えなくて良い』ということか・・・。結局、そもそも計っちゃいけないアルファ線・ベータ線のことを突き詰めている私が間違っているという結論に達します。もし、万が一、文科省が正しければ・・・ですが・・・。

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