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CHa-Ki 的思考回路
2011年12月16日:福島第一原発のスケール
その1 冷温停止状態?
思考回路初のシリーズもの。原発のスケールを3回にわたって様々な面から検証していきます。
1mg〜1000億トンまでを同じ土俵で考えていきます。20階建てのビルに相当する建屋の中には一基100トンのウランがあり、JCOの臨界事故で2人が亡くなった時に臨界に達したウラン燃料は1mgで、原子炉を冷やす冷却水は毎秒70トン必要で、年間で1000億トンの海水温度を7度上昇させている・・・
その場に居るわけではないので、私自身、原子力発電所のスケールが見えません。
メルトスルーかメルトアウトかを考える前に、もう一度、原点に返って発電所の大きさと事の重大さを考えてみたいと思います。
項 目 1号機 2、3号機
原子炉建屋 タテxヨコx高さ 41x41x49m 45x45x62m
全重量 66,400t 99,900t
総発電量 401,248kW 783,913kW
圧力容器 内径×全高 4.78×約19.0m 5.57×約22.0m
装荷ウラン量 78,795kg 106,800kg
母材厚さ 160mm 140mm
重量 約440t 約500t
設計温度 302℃ 302℃
格納容器 フラスコ本体 球部径 17.7m 20.0m
圧力制御室 円環中心線直径 29.6m 33.5m
プール水量 1750m3 約3000m3
建屋の高さ62mというのは、概ね20階建てのビルに相当します。それが水素爆発で吹き飛んだということです。ざっくり30万トンの放射能汚染されたガレキの山です。
ガレキの中にある圧力容器は高さ約20m、直径約5mです。その中にウランが約80〜100t入っています。
3号機はプルサーマルなので、約3分の1の約33tはウランではなく、悪魔の核物質プルトニウムです。
圧力容器の容器という言葉がスケールを惑わしているのかもしれません。核開発を始めた頃の記事には「都会のビルの地下に原発を」みたいなものさえあって、私のなかのザックリイメージでは、どうしても核燃料は各300kgずつ、みたいなスケールで見てしまいます。
各100トンというとてつもない量をイメージするのはかなり難しいのではないでしょうか?
1〜3号機合計約280tのウランとプルトニウム(の瀬戸物)が2800度の高温でドロドロに溶けて圧力容器の底を溶かし(メルトスルー)、格納容器のコンクリートの上に落ちました。
東電によれば、格納容器から飛び出して地中まで潜り込んでしまったわけではなく、「容器の底を突き破るギリギリで止まっている」というけど信じて良いのだろうか?100キロ200キロの量ではなく、100トンです。
10トントラック10台分ですよね?
現時点では、核燃料の状況を見ることもできないどころか、どこにあるのかもハッキリしていません。
所在すらわからない100トンの物体の状態や温度が計れるのだろうか・・・。
「冷温停止」という言葉は圧力容器内にある核燃料を十分に冷却できて、放射線の管理ができる状態を言います。
従ってスルーしてしまった以上、冷温停止はできないということになります。
そんな中、昨夜(2011年12月16日)、福島第一原発の「冷温停止状態(冷温停止ではなく、そこに状態を加えてみました)」が宣言されました。
アメリカスリーマイル島の原発がメルトダウン(この時は圧力容器の中で溶けただけ)した際、10年以上後に燃料を取り出してはじめて「収束」という言葉を使いました。
政治的都合による「まやかし」的な安全宣言は国民の誰一人として納得しません。それどころか、国際的な信用を失います。
ベトナムへの原発輸出がこのようなおバカなゴマカシ宣言に向かわせたのだと思いますが、その場しのぎではなく最終結果を考えなければそれこそ、日本という国そのものが無くなります。
それに気付かないのも政治家としては幸せなんでしょう。
気付かないふりができるおめでたさかな?
汚染水を溜めるタンクも足りなくなって、敷地内の森林を伐採して場所を確保するそうですが、それでもすぐに一杯になることは火を見るより明らかです。毎日建屋に流れ込んでる地下水は200〜500t、この量を考えても安心できるレベルとは程遠い。
最長40年で建屋を解体撤去するそうですが、「最短でも」と読み替えたいのは私だけではないと思います。
10年後から燃料取り出し作業を始めて25年後くらいには終了するとしていますが、それは、格納容器や使用済み燃料プールが朽ちる期間、それ以上延ばすと容器やプールがヤバイので「作業ができるか否か」の問題ではないような気もします。
今の技術レベルでは廃炉にできない、ということは暗黙の了解で、40年の間に技術が進歩して核燃料を取り出せるかもしれない・・・そういう希望的観測で事を進めると、とんでもないしっぺ返しを喰らいそうですね。
11月13日の「今週の一言」に
TPPがどうのAPECがどうのとウルサイ中ですが、日本再生の切り札を考えてました。で、その結論は、まず、1000ベクレル以下は検知せずになるようなニセ測定器を使って(非常に多い)あたかも安全・安心って言ってる詐欺師を片っ端から逮捕・死刑にする!食品はじめ、あらゆるものの放射線量表示を複数に分ける!そして、3.11以前の許容値のものも、今、政府が安全と言って国民をだましている現在の許容値(直ちに健康に被害が出ないが、後々は、晩発性障害の出る可能性が非常に大きい米や野菜の500ベクレルなど)を明確に表示する!『10歳未満の子供は検出せずだけ、それ以上の未成年者は30ベクレル以下のものしか食べてはいけない、成人で40歳未満の人は本人の判断で、40歳以上で子供を生む可能性の無い人間は500ベクレルまで、50歳以上の人間はできるだけ高い放射線量(とりあえず、1000ベクレル以下)のものを食う!』という法律を作る。だから、表示は「検出せず」「30ベクレル未満」「500ベクレル未満」「1000ベクレル未満」の4つになります。ねっ!超安心でしょ?もし、正確な放射線量を測るすべがあれば、こうすれば一件落着です。今、日本人が考えなければならないのは日本の将来を担う子供たちです。多くの子供たちが放射能由来の癌におかされるなんて考えたくもない未来です。放射線量を世界で最も厳しく設定する以外に日本がまともな国に生まれ変わることはできません。そのためには、500ベクレルでも安全な50歳以上の人間が(犠牲になってということでは全くありません。安全なんです。)進んで今の許容値の食品をとるべきで、罪のない小さな子供に強いることこそ日本の破滅につながるのではないでしょうか?
と書きました。0歳の子は50歳の大人の300倍危険だと言われています。細胞の生まれ変わりが激しいほど放射能の影響は加速度的に増えます。その子どもたちがじいさん・ばあさんになる前に廃炉を見届けられるといいですね。
20120222:福島第一原発のスケール その2 ミクロで考える
20120308:福島第一原発のスケール その3 温度が7度高い水
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