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CHa-Ki 的思考回路
2016_0907:レンブラント リ・クリエイト展を見てきました
80年代の終わり頃から技術指導をする際に「レンブラント」という名前を使うようになりました。
実は、レンブラント・ライトって照明の基本中の基本であることは世界の常識です。

今ではググれば、インターネットにあふれています。
もちろん、お題目のようにこれだけ知っていてても何にもなりません。
それじゃあ、ただの学者です。

映画・テレビ照明の技術者との仕事が多くなると、頭の中の机上の回路が実践経験でつながり、裏技・隠し技としても使いこなせるようになります。

いずれにしても四半世紀以上前から「レンブラント・ライト」という言葉を使い、もちろん、その手法はもとより、利点欠点、応用テクニックまでも指導してきたわけです。

レンブラントに会ったことはなくても付き合いは長いのだ!

そういうわけで、東口の横浜そごう美術館で開催されている「レンブラント リ・クリエイト展」に誘われました。

入場料は1,500円。

この金額かぁ・・・それでも会場はかなりの人であふれていたのにはチョットびっくり。

そんなに人気な人だっけ?

それとも「コピー技術」「印刷技術」の見学?ということは、さておき。

レンブラント研究の学者、エルンスト・ファン・デ・ウェチリンク教授(アムステルダム大学美術史名誉教授)の監修により、
「経年劣化で変色する以前のオリジナル色を取り戻す最新のデジタル技術で複製画を忠実に再現」
された約200点が展示。

ざっくり言ってしまえば「原寸大コピーした、歩いて見て回る作品集」、ひと言なら「原寸大複製写真」

絵画をデジタル化して専用紙に印刷したような・・・そこにあるのは絵画ではなく、レンブラントの絵画を撮った「複製写真」。

前出教授は複製画と言っていますが、画ではなく写真でしょう。

どう考えても。
また、私事に戻りますが、1980年代から関内の教文センター(今はありません)で教育委員会主催の絵画・書・写真・工芸などの作品ビデオを撮っていました。

絵画の時は、特に筆のタッチや絵の具の混ざり具合盛り具合・・・が私のテーマでした。

だから、ベースとしては持っていてもレンブラントライトなんて使わず、その場その場で最適な表現ができるような照明を入れていました。

記録として撮っていても、その中に自分の意思を入れたい!20代、若気の至りですな(笑)。
そのまた昔、まだ18〜9歳の頃、岸田劉生展で「切通の写生」(道路と土手と塀(切通之写生))の前で2時間以上動けなくなったことがあります。

その土、草、小石ひとつひとつに生命が宿っていたのです。

私は「動くな!」と言われたように立ちすくみます。

そのいのちを見ることで大きな感動を受け、精根使い果たしました。

だから私は同じ会場の「麗子像」(劉生といえば、みたいな・・・代表作)が全く記憶にありません。

今回、リ・クリエイト展に行き、最初の「絵画写真」で度肝を抜かれ、次の写真で「頭の回路が切れ」、とりあえず、できるだけ見ないようにしようと決めました。

私の知らないところで、体の中から「見るな!」と命令が下ります。
目に映っても脳に伝わる回路を絶つ!みたいな・・・
今、岸田劉生作品集の「切通の写生」の写真を見ても、あの時、何でそんなに惹きつけられたのか見当もつきません。

しかし、本物の絵画なら、そこに絵の具が盛られ、光と影を作り、描かれた道端の小石1個からさえ目が離せなくなります。

絵の中に「生きている小石」を見たことがあるのは、とてもとても幸せなことなのだ!

このリ・クリエイト展に足を運んだことで、それを思い出させてくれた点としては、1500円が超お買い得だったのかもしれません。
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