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CHa-Ki 的思考回路
2019年1月18日:差別と偏見の時代
気になるニュースをコピペします。 
インド南部ケララ州にある「女人禁制」のヒンドゥー教寺院への女性の立ち入りをめぐる対立から州都トリバンドラムなどで1月2日から4日にかけて住民同士の衝突が起き、地元メディアによると、1人が死亡、100人以上が負傷。

その原因は。

一部のヒンドゥー寺院では女性の立ち入りを禁じてきた。
昨年9月に最高裁が「差別的」だとして寺院側に女性の参拝を認めるよう命じたが、宗教の伝統を守るべきだとする反対運動が起き、一部信者が女性の立ち入りを妨害。
これに対し、女性たちは1日、州を南北に縦断する道路に立って抗議の列をつくり「伝統の名の下に女性差別を許すべきではない」などと訴え、翌2日未明に40代の女性2人が寺院内に入った。
女性の参拝を知った寺院側は「浄化」のための儀式を行った。
女性の参拝に怒った反対派住民らと賛成派住民の衝突に発展し、警察への投石やバスの破壊といった暴動も起きて100人以上が死傷。
700年の歴史がある日本の伝統芸能、能狂言。
この狂言の中に山伏が登場するものがあります。
風刺(人間国宝の山本東次郎氏の弁によれば「愚かしい心理劇」)であるために、狂言に登場する山伏は全員が同じ、象徴的な名乗りをします。
「出身は出羽の羽黒山。葛城山・大峯山で修行して下山した駆け出しの山伏だ!」
と。

この葛城大峯というのは、奈良県に現存する山で、ここが山岳修行発祥の地すなわち、修験道の原点。
先の山伏はろくに修行してもいないのに、いかにも的に大峯で修行してきたところである!と大仰に言います。
ついでに数珠を鳴らしながら「飛ぶ鳥をも祈り落とす・・・」
すなわち、口だけ、出まかせ、虚栄です。

狂言は「我が身に置き換えて」というのが原点です。
愚かしさは誰でも持っているもの、山伏を笑いながらも自分を見つめ直そう!と自分に言い聞かせるべきですが、なかなか上手くいかないのが人間というもののようで。
 
戻します。
何故、葛城大峯かというお話を少々。

葛城山のふもとに暮らす役小角(えんのおづぬ=役行者=えんのぎょうじゃ)が「大峯で修行せよ」という「お告げ」に従って大峯山に向かうのですが、これが修験道の始まりで、役行者がその開祖、平たく言うと最初の山伏です。

この大峯山は、小角が女人禁制としました。
平成の今でも女性は大峯山に登れません。
※その手前の稲村ヶ岳が女人大峯とされています
女人結界
小角には白専女(しらとうめ)という母がいます。
子を案ずる母は時代に関係ありません。
白専女はわが子が心配で小角を訪ね、死をもいとわない覚悟で大峯山のふもと洞川(どろがわ)までたどり着きます。

大峯は修験道に使う険しい深い山(標高1719m)、登山口の集落である洞川から往復20kmです。
その洞川でさえ、奈良盆地からいくつもの険しい山々を超えてこなければなりません。
交通網の発達した現代でさえ、ふもとの下市口から洞川まで車で1時間以上かかります。

「これ以上母を危険な目に合わせられない」
母を思う子の気持ちも時代に関係ありません。

そこで小角は一計を案じ、大峯山塊一帯を「女人結界」として、洞川に母公堂(ははこどう)を建て、弟子の後鬼(ごき=前鬼の妻)とともに白専女を住まわせ、自分も時々顔を見せて母を安心させるようにしました。

これが大峯女人結界として、1300年間続いています。

※現在、女人結界は母公堂よりさらに数キロ先の大峯大橋です(上写真)。
※国土地理院では大峰山ですが、歴史的仮名遣いとして大峯を使っています。
 
役行者(役小角)  現在の洞川温泉
えんのぎょうじゃ
役行者 
(えんのおづぬ)
(役小角)
  どろがわ
現在の洞川温泉

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