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CHa-Ki 的思考回路
2017年6月2日:Panasonic Lumix DMC-GH4 徒然抄 その3
前回、ローリングシャッター現象を!と書いてしまったので、横浜市内を走る新幹線を撮ってみました。
動画は、Youtube(削除しました)をご覧いただければと思います。
  ※ヤバ過ぎるので削除したYoutube
動画は森田メソッド講座ではご覧いただけます。
多分、一番難解な部分だと思います。
新幹線の上を横切る橋から撮影しています。
車1台がやっと通れる小さな橋なので、新幹線の通過する振動で微妙に揺れます。
すると、線路や敷石が微妙に「フワフワ」と液状化でもしたようにプルンプルン揺れた感じがします。
これは、その2で書いた茶畑の「揺れ」と同じ現象です。
はからずも、茶葉と敷石が同じような市松模様であることが影響しているものと思われます。
 
これは良く見るもので、目新しいことはないでしょう。
CMOSの決定的な欠点である上下の読み込み時間差によって新幹線が平行四辺形になってしまいます。
上の図は新幹線が右から左へ、下は左から右に走っています。
CCDのように全画素同時読み込みならこのようなことにはなりませんが、MOS系はライン毎に順番に読み出すので、このようなおかしなことになってしまいます。
私が長年「CCDに戻せ」と言っている理由です。

Panasonic Lumix DMC-GH4の31%スローで撮ってみました。いわゆるハイスピード収録、96fpsです。
Panasonicから回答がきました。
相変わらず、文章ではなく「電話」です。
ごちゃごちゃ書いても仕方ないので結論だけ書きます。

1.ローリングシャッター現象が発生して、フワフワの画になっている可能性が高い
2.4Kは30fpsのセンサー出力なので、ローリングシャッター現象の影響を受けやすい
3.このような市松系の場合は、4K30PよりHD60Pのほうがキレイに見える

という回答を得ました。
 
別に揚げ足取りやイジメるつもりは全くありませんが、2と3は相当突っ込んだ部分まで問い詰めました。

で、結局のところ、
「状況に応じて4KとHDを使い分ける必要がある」
ということに落ち着きました。
 
なんだか、一気に4Kアーカイブの気持ちが無くなりました。
だいたい、ENG/EFPスタイルの4KカメラがSONYの1機種だけというのが問題であり、ある程度技術的に「こなれる」まで4Kに手を出すな!ということなんでしょうか・・・
 
今、KOWA PROMINAR 12mm F1.8と8.5mm F2.8が期間限定で手元にあります。

Panasonic Lumix DMC-GH4、OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II とKOWAを入れて様々な検証をしたいと思っていましたが、完全に出鼻をくじかれた形です。

気を取り直し、モチを高めないとこの話続かなくなってしまいそう・・・
 
とにかく、モチベーション下がりきる前に次回以降はOLYMPUS OM-D E-M1 Mark II とKOWAを加えた徒然の予定!にしときます・・・
 
addendum:
CCDおよびMOS系のことを少々付け加えます。(経験なので正しい年代ではないかもしれません)
1980年代にCCD(Charge coupled device:撮像素子)カメラが登場し、撮像管カメラからの転換期を迎えます。
90年代の混在期は、
放送用:プランビコン管から2/3インチFIT型CCDへの変換
業務用:サチコン管等から2/3インチIT型CCDへの変換
がなされます。
この頃、画質が悪すぎるとして、CCDに駆逐され、かろうじてトイカメラ等に使われていたのがC-MOS(当時はCとMの間にハイフンがありました)です。
 
V-Smear
CCDのFITとITの違いは「垂直スミア」(写真の赤矢印の部分に白っぽい縦線が現れる)の有無と言い切って良いでしょう。
放送用FIT型CCDではほぼスミアは出ません。
細かい点では放送用カメラはWBを取ると色温度がKで表示されました。
なので、30年間WBを取るたびに色温度を記憶できたものです。
※特例として、富士フィルムがスミアの出ない「ハニカムCCD」を開発しています。
2000年代になるとカメラメーカー間の主導権争いがおこり、キヤノンが某社製CCDを使うことを嫌い、自社製CMOSを使い始めます。
MOSの特徴である大量のノイズ(初期のCMOSには信じられないほどのFPN:固定パターンノイズが見られました)、読み込み速度の違いによるゆがみを忘れさせるような上手い宣伝で「新しい素子!」のような印象を与え、他社もこれにならいCCDを圧倒していきます。
作りやすく小型化がしやすく低消費電力であるというメリットが携帯電話などに受け入れられ、今度は逆にCCDを駆逐すると、開発予算が潤沢になり、従って、MOSの性能もおのずと上がる、という流れで現在に至っています。

放送の世界ではスタジオ専用およびひも付きカメラを除き、CCDを積んだENG/EFPカメラはSONYの3機種だけになってしまいました。

私はいまだにNIKON最後のCCDカメラD200を2台、写真のメイン機の一つとして使っています。
実は、後継のD300が出た時、ニコン初のCMOSということでD200を1台下取りに出して飛びついたのですが、あまりの画質の悪さにもう一度D200に戻っています。
従って、今使っているD200は2代目と3代目です。
2代目はすでに70000レリーズを超えて、時々記録がおかしくなるので、そろそろ限界です。

私は長年、ローリングシャッター現象が改善されない限りMOS系を使っちゃいかんのじゃないか?と考えていますが、全世界にケンカ売っても勝ち目はありません・・・
 
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