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CHa-Ki 的思考回路
2006年3月5日:デジカメ画素数競争には歯止めがかからないのか?
唐突ですが、次の二つのレンズ、どちらを選びますか?
価格はどちらも同じ。
f値も同じとします。
1. 35mm〜700mm 20倍高倍率ズーム
2. 24mm〜240mm 10倍ズーム

さて、多くの方が「1」を選択されたと思います。
ところで、最初にどこに目がいきましたか?
ややこしい数字よりも「20倍」に目がいったんじゃない?

ここに数字の落とし穴があります。

前フリなので、ここはサラッと流しますが、私なら迷わず「2」です。
この理由についてはそのうちじっくり書きたいと思います。
 
一昔前は130万画素(1280x960ピクセル)だったデジカメも桁違いの有効画素数1280万〜1600万画素にまでなっています。
上の選択で「1」を選んだ方は大きい数字がお好みだと思いますので、数字が大きくなることは喜ばしいことかと思います。

メインコンテンツ(会員専用)で詳しく書いてますのでそちらをご参照ください。

写真を使うという立場からすると、99.9%の使用方法(半切:ほぼA3サイズへの印刷)では800万画素以上は無用の長物だと考えています。(会員サイトで詳細説明しています)

カメラを見せると必ず、「画素数は?何万画素ですか?」と聞かれます。

「画素数が多いほど画質が良い」というのは全く意味の無い話。

数字の魔力に弱い日本人であるかぎり、意味の無い画素数競争が続くことでしょう。
 
やっと本題です。
下の表は画素数と撮影枚数の比較です。
当然のことながら、画素数が増えるとファイルサイズ(1枚あたりの写真の容量)が大きくなりますから、メディアに記録できる枚数が減ります。
有効画素数 ファイルサイズ(RAW) 1GB撮影枚数 参考資料(カメラ名)
600万画素 約5.2MB 約180枚 NIKON D70s
800万画素 約8.3MB 約120枚 EOS Kiss Digital N
1240万画素 約10.9MB 約86枚 NIKON D2x
1670万画素 約14.6MB 約50枚 EOS 1Ds Mark ll
※D70は実測。EOSはカタログデータ
メディアの価格も高いので、そうそうは持っていけませんよね。
ほらほらほら・・・
「1」を選んじゃった方も、1GBの撮影可能枚数を見てみると・・・
600万画素にしよう!
という気になってきましたか?

私はまだ値段が高い頃に買った256MBx2、1GBのCF(コンパクトフラッシュ)と4GBのマイクロドライブを使っています。
これで約1000枚のRAW写真が撮れます(NIKON D70s)。

1日平均500枚としても2日分なら何とかなる量です。

ちなみに500枚ってことは、カット数では約70カットということになります。
1日70カットってそれほど多いカット数とは思えませんが、何とか事足りているというところです。

これが、EOS 1Ds Mark ll だったら、20カット。
これでは大幅にメディアが不足することになり、ポータブルHDDを常時携帯するはめになってしまいます。
 
付け加えると、D70sで撮ったRAWをTiff保存すると1枚あたり35MBになります。

先日の講義に来られた方でFinePixS9000(900万画素)をお使いの方がいらっしゃいましたが、Tiff保存したら、1枚あたり52MBでした。

非力なパソコンでは開けないかもしれませんね。

画素数じゃないところで勝負できるカメラを作って欲しいところですが、数字の小さいカメラは日本じゃ売れないからなぁ〜。
 
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