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CHa-Ki 的思考回路
2006年12月17日:TM(タウンミーティング)の「やらせ」
官製談合に続き、TMでの「やらせ」問題が浮上し、世間を騒がせている。

責任を取って、当時官房長官だった安倍首相が首相報酬3カ月分の約100万円、塩崎長官が閣僚報酬3か月分の約80万円、伊吹文科相、冬柴国交相は2か月分の約47万円、長勢法相は2か月分の約53万円の給与を返納。
また、内閣府の調査委員会の委員長も務めた林芳正内閣府副大臣も、2か月分の約34万円を返納する。

議員歳費(月額約130万円)はもらえるんだからイイじゃんってなもの?・・・

記録ビデオ1本コピーが10万円、
エレベータから控室まで誘導して2万9千円也・・・
というのもどうかと思いますが、いまさらタコな政治論をぶち上げてもしかたないので、今回は「やらせ」という問題を考えてみたいと思います。
 
さて、テレビという媒体をどこまで信用しますか?
(業界人の私が言ってどうするのってことは、こっちに置いておいて。)

昔、テレビでのやらせ問題がありましたが、実は、ちゃらんぽらん番組は言わずもがな、乱暴な言い方をすれば、ニュースでさえ「やらせ」とは言わないまでも扇動の要素は十分にあります。

できるだけ公平を原則にしていても、そこに人間がかかわっている限り、取材〜公開するまでに多くの人の感情が加わります。
テレビに限らず、新聞・雑誌でも同じことが言えます。
ある月刊誌の連載では編集部の改ざんにほとほと手を焼いたことが思い出されます。

マスメディアというのは多くの人の手を経て一般に公開されるわけですが、取材者はもとより、取材する記者やカメラマンの意に反して放送・販売されることも有り得るというのは、今後の日本のマスメディアの課題だと思っています。
 
どこかで住民の暴動がある。
住民側から治安部隊を撮影するのと治安部隊側から撮影するのとでは視聴者の受ける印象は180度変わります。

石を投げる住民側の暴動を悪いとするか、放水車や機動隊の鎮圧を悪いとするか・・・

イラク駐留米軍に対する住民のインタビューでは、どこをピックアップするかはもとより、編集段階で、賛成派を先にするか反対派を先にするか・・・

賛成派2人、反対派2人としてもこれは公平ではなく、賛否の順番も問題になってくるし、内容による順番も問題になります。

この順番・組み合わせがある限り、公平という言葉を当てはめるのはかなり難しい問題になります。

4人のインタビューでも順番は4x3x2=24通りの組み合わせがあります。

できるだけ公平にと考えていても、100%公平にというのはかなり難しい。

制作側の意図的な改ざんのあるなしに関わらず、視聴者は
「そこに映っているものは確かに本物ではあるが、真実ではないかもしれない」
ということは知るべきだと考えています。
 
タブーな話ばかりで夜道を歩けなくなりそうなので、TMに話を戻そう。

CMで「この洗剤で黄ばみが消えて真っ白」って言っていても、だれもそんなこと信用しないでしょう。
あくまでイメージだからそれはそれ、営業戦術としてはOKな話。

今回のような会合で「やらせ」が無いほうがおかしいと思うのは私だけでしょうか?
国が住民誘導の「戦術」として「やらせ」をやったとしても、とがめられるのでしょうか?
お金を払ってやらせたのは超スペシャル大問題ではありますが、「やらせ」はあくまで誘導戦術、会を運営する上での手法と片付けてしまえば、私は結構納得しちゃったりします。

きれいな景色だけを集めた観光ポスターもある意味「やらせ」、身の回りは「やらせ」の山であり、それに歯止めをかけることはできないと思っています。

真実かどうかは自分の目で確かめるしかなさそうです。
 
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