山でバテないための工夫あれこれ
- 水は飲みたいだけ飲んでいい
- バテるから水は飲んではいけない、が昔の常識なら、いまは、水を飲まなきゃバテる、が常識です。
- マラソンでもレース中に水を飲みます。
汗を大量にかいたのに水を補給しなければ、血液は濃縮し、むくみや筋肉の痙攣、そして最悪の場合は熱中症を引き起こします。
- 水は好きなだけ飲んだほうがいいのです。
好きなだけ飲んでも、汗や呼吸で排出される量のほうが多いはずです。 だから、とくに夏は、意識して多めに摂るべきです。 できれば歩き出す前にもコップ1〜2杯分を飲むといいでしょう。 水筒は2リットル入りが必要になります。
- 多目的利用でザックを軽くしよう
- ザックは軽いほうがいいに決まっています。
でも経験が乏しいうちにむやみに荷物を減らすことはやはり不安です。 まだ山慣れないうちは、ひとつの装備を多目的に利用することでザックを軽くしてみましょう。 - たとえば、レインウエアとウインドブレーカーをいっしょに持っていく人がいますが、ゴアテックスなど防水透湿素材のセパレーツ雨具なら、ウインドブレーカーやちょっとした防寒具の代わりになります。
- コッフェルはセットで持たず、必要な数だけを持ちます。
1つあれば鍋にもフライパンにもヤカンにもなるのがコッフェルなのです。 高価ですがチタン製にすればより軽くなります。
- 食料は、少々味気ないのですが、軽さでいえばフリーズドライ製品が最高です。
ただし、戻すのに水や湯が必要になります。
- 缶ビールは山小屋で買えます。
- ガイドブックはコピーだけ持てばOK。
- ついでに自分の体の脂肪も減らしておきましょう。
- 疲れる前に休むのが休憩
- 休憩になると、どっかと座りこんだまま動かない人がいますが、これはあまり感心しません。
少し体を動かしているぐらいのほうが次の歩きだしが楽。 座りこまなければならないというのはオーバーペースの証拠です。
- 休憩時には、靴紐やウエアのチェック、水や食べ物の補給、地図の確認など、やることがいっぱいあります。
本当はそうそうのんびりと休んではいられないのです。
- さて、休憩のペースです。
これは決まっていません。
目安としては、30分歩いて5分、50分歩いて10分程度ですが、暑い夏ならこまめな休憩が必要ですし、涼しいときならあまり休まなくてもかまいません。
要は、疲労が蓄積する前に休むということです。
- 夏は涼しい、冬は暖かい格好で快適に
- 暑さ寒さはバテの大きな原因になります。
暑すぎ寒すぎは注意力も低下させます。
- 暑さ寒さが問題になるのは、寒い冬より春から秋にかけての暖かい季節です。
寒いときはだれもがそれなりの準備をします。 でも、暖かい季節は山の寒さや歩いているときの暑さを軽視しがちです。
それが夏山での凍死や熱中症につながります。
山の気温は1000m上がると6℃下がるといわれますが、稜線は涼しくても、樹林帯の中は蒸風呂状態ということも珍しくありません。 事前にコース状況をよく把握しておきましょう。
- 基本的には、高山の稜線では素肌を冷やさないウエア、風通しの悪い樹林帯では体の熱を逃がしやすいウエアを選びたいものです。
3000m級のアルプスなら、夏でも化学素材の半袖下着を着たほうがいいのです。
- 座りこむ前にまずはクールダウン
- さあ山登りも終了。
山小屋やバス停にザックを降ろして座りこみたいところですが、その前に少しだけクールダウンをやっておきましょう。
- 運動を突然やめると、血圧の低下や過換気などによってめまいや吐き気を起こすことがあります。
ストレッチや整理運動をすることで、血圧や心拍を徐々に低下させ、同時に、筋肉の疲労物質である乳酸の分解を促進させるのです。
- たった5分のクールダウンが疲労回復を早くさせます。
これは休憩時も同じで、少し動いていたほうが体にはやさしいのです。
|