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撮影 Rule.006 構図6「太らない広角レンズ」 
コンピューターによる設計、すなわち、CADの進化。
ガラスモールド技術、ガラス以外の素材の進化で広角レンズが低価格化してきて、20mm以下の広角レンズも普通に使われる時代です。

カメラマンとしては、低価格高品質の広角レンズを使えるのは大きなメリットでもあります。
 
放送用ビデオレンズも9mmなんて大昔の話で、今の標準レンズは広角7.6mmくらいが普通で、換算28-1300mm程度です。

しかし、レンズが広角になってくると少々やっかいな問題も出てきます。
 
数値的な細かい部分はググっていただければウンチク大漁でしょうから、ここでは割愛します。

レンズは、広角になればなるほど、4つの角を引っ張ってあげないと四角い映像になりません。
これは、魚眼レンズを見ればすぐにわかると思います。
 
ここをご覧ください
サンプルの左の写真は昼間に撮ったもので、右はその日の夜に撮ったものです。

右側のオブジェが夜に曲がってしまうということではなく、撮影レンズの違いです。

左:Tokina ATX12-24mm F4を12mmで撮影
右:SIGMA 15mm F2.8 DG FISHEYE

カメラはAPS-CサイズのNIKON D200なので、換算で左は18mm、右は22.5mm(F3に付ければ対角線魚眼)です。
12mmと15mmの画角がほぼ同じ、というのも面白いですね。

これらはレンズの設計思想として直線を目指すか、角度を目指すかの違いです。
 
魚眼系の歪曲(ディストーション=デフォルメ)を楽しみたいという場合は、かなり特殊な状況なので、問題は発生しませんが、一般的な放送用レンズやこのトキナーの超広角のように直線主体で設計されたレンズの場合は

角へ向けて引っ張るのでデフォルメが生じる

ことになります。

四隅に近いほど実像より引っ張られて伸びてしまう

という現象が起きます。
 
風景などではそれほど大きな問題は起きませんが、人は少々やっかい。

どうも「太った女性は男性に嫌われる」と思っている女性が大多数のようで・・・

私はどちらかというと、痩せてるよりは良いと思っていますし、藤沢周平や山本周五郎らの文豪たちも「肉置が良くなり魅力的に・・・」などと書いています。

話を元に戻しましょう。
 
レンズの設計で直線を優先するため、周辺が引っ張られる
すなわち、
集合写真で端にいると横に引っ張られるから太る
のです。
痩せて見せたいなら、集合写真は中心に居るべきなのだ。

例えば、女優を撮る時、
構図としては、中央からは外したい。
中央から外すと「太って見える!」と怒られる。

現実的にはよほど広角でよほど端に置かなければそれほど「太る」わけではなく、それなりに写るものです。

なので、人を撮る時の対策としては
1.不要な広角を使わない
2.あまり端に配置しない
3.換算50~100mmくらいが自然
ということだけ覚えておけば大丈夫です。

くれぐれも、「太って見える!」と言われても「それなりです!」と答えないことが肝要です。
 
次回:「対称と相似」その1
中望遠より長い玉なら周辺の肥満化は無視できます。
しかし、長いほど被写界深度が浅くなるので、論外な望遠でアップなど撮ると背景なんぞ関係なくなります。
背景がわからないということはどこで撮っても同じことになり、それはそれで問題です。

デジタル一眼動画が流行り
「被写界深度が浅い=良い=プロっぽい」
というおバカな思想まで生まれました。

カメラマンは背景のボケ味さえも楽しみたいものなのですが・・・
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