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CHa-Ki 的思考回路
2016年9月22日:国語に関する世論調査
ずいぶん前の話ですが・・・2010年12月9日の今週の一言にこう書いています
昨日のNHKニュース、義務教育を終えた15歳を対象に行われる国際学力調査の「読解力」で、日本は世界15位から8位に戻り、学力低下に歯止めがかかったと報じた。そのニュースの中で学習指導要綱を書いている某A大学の偉〜い先生の解説があり(あまりにもバカげた内容のてんこ盛りで一部しかメモできなかった・・・)、「・・・教育に力こぶが入っている・・・」「・・・浦島太郎の行動に納得か不納得かを考える・・・」「・・・自分の言葉を相手に発信する・・・」と偉そうに日本の国語教育のあり方を語っていました。ろくに日本語も話せない「先生様」のインタビューを公共放送に流すべからず!と思うのは私だけでしょうか?ちなみに、正しくは「力が入っている」「納得するかしないか」「自分の言葉で話す」でしょ?
いちおう、解説をしておきます。
取材中に、放送をためらうような発言・行動があった場合は「その場で撮り直し」が当たり前の原則です。
上記のようなおバカな言葉が出たら、その場で訂正させます。相手が教授だろうが何だろうが関係ありません。
放送のためということもありますが、実はその教授が全国区で笑われないためというのが一番の理由です。
尚、「力こぶが入る」という言い回しは国語的に間違いではありませんが、一般的に誰も使わないでしょう。
さて、その6年後の話です。

文化庁は毎年「国語に関する世論調査」を実施していますが、その結果が公表されました。

調査対象:全国16歳以上の男女、調査時期:平成27年1月〜2月、調査方法:個別面接調査、回収結果:調査対象総数3,493人、有効回収数(率)1,942人(55.6%)

調査項目は、
(1)社会や家庭における言葉遣いについて 
(2)外国人に対する日本語教育について 
(3)手書き文字と印刷文字の字形について 
(4)新しい複合語,省略語について 
(5)慣用句等の意味・言い方についてなど
 
日本語が乱れてる・・・73%(以下四捨五入して整数にしています)
実は、5年前には86%だったのが毎年減り続けています。

7割以上の人が「正しい日本語を使いたい」としているにもかかわらず、「判断が付かない」ことを「ビミョー」と言っちゃう人が66%です。

「小春日和は春」だと思っている人も半数近く。

看過できない、笑えない数字です。

まっ、最初に書いた通り、日本語のおぼつかない方が学習指導要綱を作っていて、それを全国に流しているマスコミ様もいるわけです。

「言葉は時代とともに変わる」というのは詭弁(きべん)で、昨今の言葉の変化は急激過ぎます。
オヤジが昨日やっと覚えた「おk」はもう古い!と言われてしまう時代です。
 
本来、お手本となるべきNHKのアナウンサーの発音の乱れもとどまるところを知らず、狙いは「反面教師」か?

NHKニュースを「ながら」で聞いていると、何を言っているのかわからない。

なにせ、ダニと同じ抑揚で兄、紙や髪と同じ抑揚で神だから、さもあらん。
 
以前、「北という字が書けない」や「文字?」でも書きましたが、どうも日本語は話すだけではなく、書くもおかしくなってきて、だいたい合っていて「イイ感じ」なら「良い漢字」のようです。

漢字のテストがどうなっちゃうのか?どころの騒ぎではないところまできています。
 
さて、あまり触れられていませんでしたが、最近特に気になるのが英語をそのまま日本語にした
ファストファッションやファストフード
という間違い

どこかの自称外国語堪能人がドイツ語を取り入れてファストとしたのか?
コピペで広まり、もはや、ファーストフードと正しく言おうものなら、「ファストだよ!」と笑われるイキオイ。

もちろん正しくは、ファースト。
ネイティブの発音は上のリンクと同じです

もし、ファストが正しいと主張するなら、ワークとウォークも修正しなさい!ということです。

アメリカでウォーキングに行くと言うと、間違いなく、「働きに行くんだ」と勘違いされます。
 
も一つだけ書いておきましょう。
「何々させていただきます」
政治家がホントに良く使う言い回しです。

本来、ここに隠されている意味は、
「何を言おうが、都合がどうだろうが、俺様は何々するぜ!」
であり「するぜ」を丁寧に「させていただきます」と、一見へりくだったように聞こえますが、あまり使いたくない言葉です。

同様に良く間違っちゃう言葉で「願います」も同類です。
これも謙譲語ではなく、「願う」の丁寧語で目上の人には使えない言葉です。
 
ローマ字表記にしても、KOBANは交番で小判ではないとすれば、OBANはオバンでなくて大判なのか?

知らない土地に行くと、読めない地名がでてきます。

そこで道路の行先表示板を見て「へ〜、そう読むんだ!」などと納得しますが、OKAWA Riverと書いてあった時、大川と読むか尾川と読むか?OSAKAは小坂なのか大阪なのか・・・
 
ディレクターという職業は、アナウンサーやナレーターに指示する立場で、どこやらの国語教授なんぞより余程日本語に精通していなければなりません。

自動車タイヤのアルミホイルも台所のアルミホイルも一緒の国だから、という結論にはできない商売なのです。

チョット、差別と勘違いされるので書きたくないのですが、私はほぼ完ぺきな標準語を話せます。
それで余計に気になるのかもしれません。

しかし、誰かが声を上げなければならないと思い、この思考回路でも日本語を多く取り上げてきました。

願わくは、せめて、NHKだけでもまともな標準語を使って欲しいと思いますが、彼らは聞く耳を持ちません。

それどころかチャンスがあれば流行語を使おうと虎視眈々(こしたんたん)と狙っています。

先日のダッカのテロで多くの一般人が犠牲になったときに、日曜討論司会の島田敏男解説委員が「ダッカで起きた残念な事件」と言ったのも、料理番組で塩加減を間違えて「残念」だし、天気予報が外れて雨に濡れて「残念」という言葉の流行に乗っただけです。

それでも多くの人たちは「NHKが言うのだから正しい」と考えがちです。
 
余程のことが無い限り、日本語の話はここで終わりにしたいと思います。

きりが無いし、腹立たしいだけです。
読んでいてもむかつくと思いますので。

と書きながらも「よほどのこと」が間近に起きるような気がしてなりません。
 
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