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フィルムとCM                                        2000年更新
先日、地方のTVコマーシャルを作りました。残念ながら、V-CM(ビデオを使ったCM)です。キー局のCMのほとんどがフィルムで作られていることは一般にはあまり知られていないようです。
CMプロダクションの方に言わせると、様々な理由でフィルムを使っているそうだが、私は、最も大きな理由は次の1点だと考えています。
スロー再生の美しさ
ビデオは毎秒約30フレームの呪縛から解き放たれない限り、この点ではフィルムに全く歯が立たちません。
確かに超レアなハイスピードカメラも現存しますが、あまり現実的ではありません。
フィルムのスロー(1/3スローで再生したい場合)
  1. 収録ではフィルムの毎秒24コマを毎秒72コマで収録
    • これにより、72コマ全てに異なる画が収録される。
  2. 毎秒24コマで再生
    • 24コマ全て異なる画で1/3スロー再生になる。

ビデオのスロー
  1. 収録では毎秒約60フィールド(約30フレーム)で収録。
  2. 再生時にDT(SONY:ダイナミックトラッキング)やAT(パナソニック:オートトラッキング)機構を用いて、ノイズレス再生を行うが、結局、毎秒10コマで再生しているのと同じ。

こんなことを書くとメーカーから怒られそうですが、現実です。美しいスローは、収録時に「欲しい再生スピードの逆数倍の速度」で収録する以外に方法は無い。と私は信じています。
先日のCMは、15秒。スイッシュパン、スロー(8カット中2カット)を使ったりしましたが、やはり、スローの切れの悪さは辛いものがあります。
可変速再生大好き人間なので、倍速・3倍速収録可能な一体型カメラを是非つくって欲しいと小さな声で訴える今日この頃です。
電子シャッターの項でもう少し詳しく説明していますので、そちらもご参照下さい。
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