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Y/Cってコンポーネントじゃなかったんだ。       2000年更新

ここに入る前にテレビ信号基礎三原色とコンポーネントあたりを読んでみてください。
この辺の概略がわからないとチョット難しいかも知れません。

また、ここではY(輝度信号)とC(色差信号)の分離ということに主眼をおいていますので、細かい回路やその解説は全て割愛しています。
アナログコンポーネント記録のまとめ
上図は放送用βカムなどのようにコンポーネントでテープに記録する場合。

光がCCDによりRGB電気信号となり、
Y(輝度信号)とC(R-Y,B-Y:色差信号)が磁気信号として別々にテープに記録される。

再生すると、RGBに分けられた信号によりモニターできます。
従って、回路の中で、YとCが混合されることはありません。

これにより、色信号が輝度信号とMIXされることはあり得ないわけです。
コンポジット信号の作り方(概要)
映像だけに関して言えば、コンポーネント信号は3本のケーブルが必要になりますが、コンポジットは1本の伝送系で済みます。
伝送系を張り巡らす場合、このメリットは大きく、当然放送局から家庭のテレビに送られてくる信号もコンポジット。
コンポジット信号による録画・再生
民生のビデオテープ同士のダビング(編集)を考えた場合、3種類の結線があります。
  1. ダビングケーブル
    • Mix、Sepを通さないが、TBCを通すことはできない
  2. Y/Cケーブル
    • Mix、Sepを通った信号
  3. BNCケーブル
    • Mix、Sepを2回づつ通る
Y/Cって一体何物?
さて、ここで、4PのY/Cケーブル。
これをコンポーネントケーブルという言い方をしていますが、はたして本当のコンポーネントなんでしょうか?

VHSなどの民生フォーマットではY(輝度信号)と低域変換されたC(色信号)がミックスされてコンポジット信号としてテープに記録され、再生するときはセパレータによってY/Cに分離されます。

ここで、最も画質劣化を引き起こすのは、Y/Cセパレータ。
もちろん、R-Y・B-Y〜3.58MHz変調〜低域変換〜Y/C混合という過程でも画質劣化が生じます。

一度テープにコンポジット信号として記録されてしまった信号は2度とコンポーネント信号に戻ることはありません。

確かに2回以上のMix、Sepが無いとはいえ、一度はコンポジット信号として記録されたものを再度分離してコンポーネント信号と言われても・・・。

Y/Cケーブルを使っても(効果が無いとは言いませんが)極端に画質が良くなることはありません。どうしても画質を良くするためにはテープへの記録もコンポーネント(βカムなど)にする必要があります。

青と赤の絵の具を混ぜて紫を作ります。
でも、やっぱり青と赤がイイと思って紫の絵の具を青と赤に分離するのは至難のワザ。

ミックスジュースはそれなりに美味しいが、ミックスジュースを分離して「オレンジジュースです」とだされても・・・。
尚、Y/CのYの意味するところは、名阪カラーワーク研究会へどうぞ。
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