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甲状腺全摘出の記録
不整脈心房細動の原因はバセドウ病(甲状腺機能亢進症)
症状/診断と治療/薬の副作用、そして全摘出手術、その後
03:心不全。不整脈と心房細動って何?
2016年5月、今日はおじいちゃん?先生です。
この診療所には私より一つ年下の院長先生と女医さんとおじいちゃん先生の3人が内科(総合)の先生です。
整形外科は前回登場した非常勤の先生一人です。

何でも話せるので、いつもの院長先生に診ていただきたかったのですが・・・ 
 
「心臓の鼓動が大きいような気がするんですが・・・」
「そうか?大丈夫だけどなぁ・・・」

「心臓の音がですねぇ・・・どうもリズムが変なんです」
「じゃあ、もう一度・・・」と聴診器を当て「あれっ?」

いや、ヤメてよ!その、変な言葉!と思うのもつかの間、
「レントゲンと心電図を取って」

何!何!変な病気?ヤメてよ!と思いながら、レントゲン撮って、心電図取ってるところに先生がやってきて
「やっぱりな、〇▽ぼ※さ◇どうだな!」
と滑舌悪く言っています。

そして、
心不全。不整脈があって、〇▽ぼ※さ◇どうが出てるから明日院長に診てもらうように」
先生は自分の予想が当たって思いっきりドヤ顔ですが、こっちはア然です。
 
何?何なの?
心不全って死んじゃうの?
どうすんの?

プチパニックになりながらネットをあさります。
「心不全=死」
ではないことがわかりチョット安心。
まっ、院長先生にじっくり聞けばいいか。
 
ザックリですが、不整脈は脈拍のリズムが不規則になることで、心房細動というのは心臓が常にけいれんを起こしているかのように細かく震え続けること。
 ※心拍数が速すぎると心臓はポンプの役割をしない
(右図)心房細動は拍動の間が常に振動している状態。
国立循環器病研究センターへリンク

心電図 上:正常、下:心房細動
 
翌日、院長先生いわく、

「心房細動は100%血栓を作ります。それが脳に行くとまずいので、まず、血栓を溶かすように抗凝固剤を飲んでもらいます」

しかし、別段、仕事に支障をきたすような制約も無く、まあ、一安心です。
ただ、毎月血液検査と隔月で心電図を取ることになります。

尚、院長先生は、昨年秋の指痛はこの前兆だったと考えているようで、かなり後悔していました。
「あの時、もう一歩先の検査をしていればなぁ・・・」
と悔やみ節。
 
私は逆に終わったことは終わったことでサッパリ、気にもしてないし
「とりあえず、命に別状ないね。ルンルン!」
と薬局に行きます。

薬剤師が何やらパンフレットを出してきて・・・

まさか、一難去って?

「クロレラと青汁と納豆は絶対に食べないでください、抹茶、緑野菜と海藻も・・・」
もう、話が耳に入りません。

ちょっとちょっとぉ、
「今、納豆食べられないって言った?」
「ハイ、納豆はダメです」

「オメエ、誰に向かって口きいてるんだよ!俺は納豆星人だぞ!」と言いかけたのを我慢して、
「年間365個、毎朝納豆食べないとダメなんだけど・・・」
ダメです
 
人生終わったね。
納豆の無い人生なんて考えられない。

私の生まれた納豆星では毎朝納豆売りのおじさんが自転車でやってきて、荷台の大きな木の箱から納豆をすくい取ってくれた。
納豆を買うのは私の役目・・・
手の中でまだ温かい納豆・・・
遠い記憶がよみがえり、気を失いそうになる・・・
 
ワーファリン(ワルファリン)という抗凝固剤を飲まないと脳血栓で死ぬし、飲めば納豆食べられなくて死んでしまう・・・

どちらを選ぶか・・・

悩んだ末にワーファリンを飲むことにしました。
 
飲み始めて2ヶ月、納豆やめたから?じゃあないよね?副作用だよね?

ワーファリンなのか、7月から飲み始めたジゴキシン(強心剤)の副作用かわかりませんが、足がむくみ始めます。
 
ジゴキシン:用法を間違えると中毒を起こすジギタリス系のやや危険な薬ですが、心房細動の対処として使われます。むくみを取ることはあっても、むくみを生じるという副作用は無いようです。
 
ゆるゆるの靴下を履くだけでも苦痛でハアハア言ってしまいます。
膨れ上がった皮膚が敏感になるのか、チョット触っただけでヒリヒリ痛みます。

当然、靴は無理、どうしてもな場合はサンダルで何とかしのぎます。
夏で良かった・・・
なんてのんきな事言ってる場合じゃないな・・・

膝から下がパンパンに腫れて、指で我慢できるまで押すと軽く1関節入ります。
それ以上は痛くて押せないので測れません・・・

正座は言わずもがな、しゃがむことも無理。

何もかも
無理!

いったいぜんたいどうすんの?

普通の生活でさえ思いっきり支障をきたしているしぃ・・・
薬の副作用がどのようなものか、どうしたら良いのか、経験値が全く無い・・・
 
の痛み、
体調不良、
心臓の問題、
薬の食事制限
さらにとんでもない足のむくみ

肉体的にも精神的にも限界に近く、当然仕事にも支障が出てきます。

たった2時間の撮影で「おつかれさまです〜」に返事をする気力さえ無くなり、とってもイヤなジジイになります。

それがわかっているのに対処できない、精神的に追い詰められ、心がすさんで「寄らば斬る!」状態になっていたと思います。

当然、周りも異変に気付くので、まさに腫れ物に触るかのように注意深く私に接してくるのがわかり、かえってそれがプレッシャーになり、ストレスになります。

自分で自分が制御できない・・・
分かっているのにどうしようもない・・・
怒鳴りつけたり、暴れなかったのが不思議なくらいです。

これがあと1か月続いたら、種類の違う病院に入っていたと思います。
 
チョット一息入れて、数字を書いておきます。

心臓の負担を示すNT-proBNPでは、正常値約60のところ、
5月 1168(制限速度60kmの道路を音速越えで走ってるってこと?)
7月 1880(ジゴキシンを処方される)

8月13日の検査では、血栓のできやすさを示すD-Dダイマー定量が1.00(血栓有り)
 
そういうもろもろがあり、カテーテルアブレーションも前提に診療所から横浜市立市民病院に変更することにしました。
 
8月23日に市民病院の予約が取れて、いよいよ心不全の本格的治療が始まります。

カテーテルアブレーションのこともずいぶん勉強して、最終的に手術を行う時は
葉山ハートセンター
に決めていました。

そして、その日がやってきます。
 
つづく  その4:横浜市立市民病院、循環器内科
裏話:
神奈川県のカテーテルアブレーションの実績では横須賀共済病院が有名ですが、聖マリアンナやみなと赤十字もかなりの実績があります。
葉山ハートセンターは、高温でのアブレーション治療を開発した病院であり、確実性として一番信頼がおけるところかもしれません。

実は、診療所で病院を紹介してもらう時、実績があるとして勧められた「聖マリアンナ」「みなと赤十字」の2病院には過去にとてもイヤなことがあったので、あえて、横浜市立市民病院にしてもらいました。

今思うと、私の勝手な病院不信が結果的には好結果をもたらしたかもしれません。
私は8月の時点で既に手術をする覚悟を決めていて、素人ながら自分自身が納得できるまで治療方法や実績などを調べつくしていました。

だから、もし、以前に嫌な思いをしていなければどちらかの病院で「早く手術を!」とお願いしてカテーテルアブレーションを受けていたと思います。
そして、再発に苦しんでいたかもしれません。

あくまで、タラレバの仮定ですが・・・
 
目次
01:前フリ(恥をしのんで…最悪の生活習慣)
02:症状と言えるかどうか?
03:心不全。不整脈と心房細動って何?
04:横浜市立市民病院 循環器内科 納豆人間復活!
05:甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
06:副作用
07:体重のこと、甲状腺の腫れ

08:そして・・・ぶり返し
09:薬と症状の因果関係の訂正?

10:1年が過ぎて、当たり前だけど2年目に突入
11:トレッドミル検査
12:アイソトープ治療の行方
13:ヨウ化カリウム
14:ヨウ化カリウム その後
15:ヨウ化カリウム中止、メルカゾール減らす

16:メルカゾール限界量に挑戦
17:最後の決断
18:横浜市立大学附属病院

19:全身麻酔、甲状腺全摘出手術
20:最終回、退院後初検診
Add:2019年6月、術後10ヶ月、完治宣言!
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